内積について

今回は内積について話をします。

内積というのは、2つベクトルがあって、黒ポチで書かれる量ですね。
{bf A}cdot{bf B}

内積とは、2つベクトルがあった時に、間の角をthetaとすると、
|{bf A}||{bf B}|cos{theta}
という量です。
内積のというのはスカラー量なので向きはもっていないですね。

これはどのようなイメージかというと、{bf B}掛けるcos{theta}というのをイメージすると、これは{bf A}方向に対する{bf B}の水平成分です。ですからこの2つのベクトルを考えた時の、2つのベクトルの水平成分を掛け合わせた量が、内積になるわけです。

いちおう参考までに外積の大きさ(外積はベクトル量)というのは、
|{bf A}||{bf B}|sin{theta}
になります。
なので外積と言ったら、2つのベクトルの垂直成分を掛け合わせたものになります。内積は水平成分を掛け合わせたものです。

これは内積の定義なのですが、物理で出てくる際には、thetaを使って書くとこはあまりなくて、このように成分で書かれますね。
A_x B_x+A_y B_y+A_z B_z
それぞれの角成分同士、x成分で掛けて、y成分同士で掛けて、z成分同士で掛けて、そしてこれらを足し合わせたものが内積です。物理ではこのように成分で書かれます。内積は非常に良く出てくる量なので、覚えておいてほしいと思います。

ベクトルについて

ベクトルについて話をしようと思います。

ベクトル、英語で書くとvectorですね。英語読みだと「ベクター」で、「ベクトル」はドイツ語読みだったかと思います。

ベクトルとはどういうものかというと、大きさと向きの2つを持っているのがベクトルです。だから一般には矢印でかかれます。矢印の長さが大きさを表し、矢印がどちらを向いているかが向きを表します。

ベクトルはよく、こういう矢印をつけて( vec{v} )書かれたり、太字({bf v})で書かれたりします。ベクトル(vector)のvをとって、vで書かれることが多いですね。

このベクトルの成分表示ということがよく行われます。むしろベクトルというと成分表示を思い浮かべることが多いと思います。
x軸、y軸、z軸をとって、原点からのベクトルをとったときに、ベクトルの大きさを、x方向の大きさが3、y方向の大きさが0で、z方向の大きさが5というように書くのをベクトルの成分表示といいます。
{bf v}=(3,0,5)

このときそれぞれx成分、y成分、z成分といったりします。

この成分表示はよく使われているのですが、気をつけないといけないのは座標系によって成分の値が変わることです。

ベクトル自体は変わっていなくても、たとえばxyzの向きが変わったりすると、ベクトルは同じベクトルでも、成分表示した値が変わることがあります。
{bf v}=(2,1,0)となったり。
なので成分表示は座標の取り方によって変わるという点は注意が必要です。

ベクトルの成分を{bf v(t)}=(x(t),y(t),z(t)) としたときにベクトルの微分は成分ごとに行います。
frac{d{bf v(t)}}{dt}=(frac{dy}{dt},frac{dy}{dt},frac{dz}{dt})
というベクトルを考えているということになるわけですね。当たり前じゃないかと思うかも知れませんが、大事なことなので説明をしておきました。