ここでは(ローテーション、回転)について説明します。はベクトル場に対して作用して次のように定義されます。
ここでとりあえず分かるのは、のx成分にはyとzが、y成分にはzとxが、z成分にはxとyが入っていることが分かります。これらがどのような組み合わせで出てくるかはとても覚えづらそうなのですが、これについては「ナブラ記号について」という動画で分かりやすい覚え方を説明します。
はベクトルに対してベクトルを返すものなのですが、これのイメージは次の通りです。(ローテーション、回転)はその名の通りベクトル場の回転具合を表します。例えば水の流れを表すベクトル場を考え、そこに浮かぶボールを考えましょう。ボールはベクトル場の向きに従って流れて行きますが、この時ボールには回転が加わるかもしれません。あるところで流れが強く、あるところで弱くといった状況ではボールがくるくる回りながら流れます。このボールの回り具合を表すのが、ベクトル場のローテーション、です。
回転、渦などいったものもベクトルで表現することができます。渦の乗っている平面に垂直な方向がそのベクトルの方向で、渦の強さがベクトルの大きさに対応します。
最後に補足なのですが、はなどとも書かれたりします。電磁気学をまとめたMaxwellはこの表記を用いて書いていたそうです。