ここでは電磁気学というものがどのような学問なのかということを、大雑把に説明したいと思います。
“電”は電場などを表します。電場は電荷があるとその周りに生じます。”磁”は磁場などを表します。磁場は電流があるとその周りに生じます。
電流というのは動いている電荷のことです。つまり電場は止まっている電荷から、磁場は動いている電荷から生成されます。電荷が止まっているか動いているかは観測者の見方に依って異なります。あるいは電荷と言う存在を、違う見方で見ている、ということもできます。従って、電場、磁場というものも、見かけは異なっていても本質的には同じものなのではないかと考えることができます。これは実はアインシュタインが特殊相対性理論で言っていることです。アインシュタインの特殊相対性理論の論文の題は「動いている物体の電磁気学」でした。
その内容はここまでに述べた通りです。電荷に対して静止した観測者から見ればもちろん電荷は止まって見え、動いている観測者から見れば電荷は電流に見えます。同じように、静止した観測者からは電場に見えていたものが、動いている観測者から見れば磁場に見えることがある、ということです。電場・磁場というのは単に見え方の違いであって、本質的には同じものである、ということをアインシュタインは論文の中で言っています。特殊相対性理論は、物体の動きだけではなくて電磁気学を含んだものになっており、電磁気学の話をする際には特殊相対性理論にもよく触れられます。特殊相対性理論から、電場と磁場は見た目が違うだけであって本質的には同じものなのだということが明らかになり、そのため電磁気学では電場と磁場が一緒に扱われます。