ここでは写像について話をしようと思います。写像は英語ではmapと呼ばれます。よくという記号を用いて
などと書かれます。簡単に行ってしまうと、高校までに習った関数を一般化したものが写像です。すなわち”関数”というものよりも広いものになります。高校までに習った関数はとる値がスカラー値でした。しかしながら”写像”はより広い場合、例えば、ベクトルが与えられればベクトルを返すような写像、というものを考えることができます。例を考えましょう。
あるベクトルの集合(ベクトル空間)からベクトル空間への写像を考えましょう。
この写像を用いるとの元であるベクトルからの元であるベクトルを与えることができます。
ベクトルではなく、ある集合を与えて集合を返す、という写像も考えることができます。例えば、というたくさんの集合の集まり、集合の集合からという集合の集合への写像を考えましょう。
この写像を用いるとの元である集合からの元である集合を与えることができます。これは具体的にはどのようなものなのかというと、例えばここで出てきた集合をクラスの男子の集合とします。そして彼らの家の集合をとすると、この写像は”人”と”家”を対応させる住所録のようなものになります。これが集合を与えて集合を返す写像の例です。